2022年度活動報告
◆ 労働条件改善の取り組み

1.2022年度春季生活闘争(賃闘)について
 2022年コロナ禍の影響が続き感染拡大と収束を繰り返すなか、経済活動が再開されコロナ禍と経済の両立が進むことで、企業業績の改善がみられ景気回復が進む状況となった。一方、コロナ禍で停滞した世界経済の急激な回復とウクライナ危機による原油高や資源高、円安により物価上昇がみられるなか、2022春季生活闘争は雇用の確保と賃上げの継続による労働者の生活維持・向上、拡大を続ける大手企業との格差是正を求め月例賃金にこだわった賃上げの獲得を目指し闘争を展開した。
 2014年以降春季生活闘争において賃上げを継続してきたが実感できるものではなく、実質賃金が低下し可処分所得も伸びていない。2021年の春季生活闘争の結果が前年を大きく下回ったことから前年の遅れを取り返すとともに、働く者が安心して暮らせる社会の実現を目指し、労働者の賃金水準の底上げと格差是正のため賃上げを積極的に求め、組合員やその家族をはじめ社会の期待に応える闘いであった。同時に長時間労働抑制やワークライフバランス(仕事と生活の調和)実現など働き方改革にも積極的に取り組んでいかなければならないことを再認識した。
 私たち労働組合の積極的な行動により、今次春季生活闘争は組合員の期待に応えるとともに社会の一員として堂々と正義の闘いを展開した。
 
<2022春季生活闘争の集計>
集   計 2022妥結額(率) 2021妥結額(率)
 主要企業(厚生労働省) 6,898円 (2.20%) 5,854円 (1.86%)
 中小企業(都道府県) 5,036円 (1.92%) 4,376円 (1.68%)
 三重一般同盟 5,427円(1.91%) 4,762円(1.91%)

2.2022年度一時金闘争について
(1) 夏期一時金闘争
 夏期一時金闘争は、2022春季生活闘争において多くの加盟組合で賃上げが前年実績以上の結果となったことから年間賃金の水準のさらなる引き上げを求めて、全精力を結集し闘争を展開した。
@闘争方針の策定
 2022春季生活闘争方針を基準に、要求基準、闘争日程等の2022年度夏期一時金闘争方針を次のとおり第12回執行委員会(2022.5.10)で決定した。
 要求基準を「基準内賃金の2.5ヶ月以上、金額で750,000円」とする。
 闘争日程は、要求書提出日5月25日、回答指定日6月3日、解決目標日6月10日と定め、短期決戦に備える体制を確立した。
A要求提出状況
 賃上げ要求と同時に要求書を2組合が提出した。うち1組合が年間要求、1組合が夏期一時金要求であった。残る組合のうち4組合が6月上旬までに、1組合が7月1日に要求提出を完了した。平均で三重一般同盟基準を上回る要求となった。
B闘争結果
 一時金闘争はコロナ禍の影響が続くものの経済活動が再開され、為替が円安に振れたこともあり経団連の大手企業夏期一時金妥結状況で輸出関連企業を中心に業種の好転がみられ、前年に比べ8.7%の上昇となった。
 三重一般同盟で夏期一時金を交渉した組合では、4組合で前年を上回る回答を引き出し妥結、2組合が前年を維持したが、1組合が前年を下回る結果となった。妥結額平均は602,267円(前年対比43,100円増)、妥結月数では算出できる組合単純平均で2.16ヶ月(前年対比0.13ヶ月増)となり、夏期一時金では前年実績を金額、月数ともに上回る結果となった。前年を上回る結果から加盟組合での健闘を評価するが、年間所得の引き上げに向け各組合に年末一時金闘争での一層の奮闘を促すとした。
(2) 年末一時金闘争
 2022年度年末一時金闘争はコロナ禍の影響が続き、30年ぶりという物価上昇のなか厳しい状況となった。経済活動の再開から、企業業績に回復がみられ労働需給にも引き締まりがみえ人材確保が求められた。われわれは生活の維持・向上のため夏期一時金の上積みとともに、年間賃金の確保、引き上げと格差是正を求め精力的な取り組みを展開した。
@闘争方針の策定
 2022春季生活闘争方針を基準に、要求基準、闘争日程等の2022年度年末一時金闘争方針を次のとおり第3回執行委員会(2022.9.28)で決定した。
 要求基準を「基準内賃金の2.5ヶ月以上、または、750,000円以上」とする。
 闘争日程は、要求書提出日10月28日、回答指定日11月4日、解決目標日11月11日と定め、早期解決を目指すこととした。
A要求提出状況
 要求は11月中に出揃い提出を完了した。うち1組合は7月に年間要求(冬・夏)を提出した。
 要求内容は年末一時金を単独で闘った組合で、三重一般同盟の要求基準「2.5ヶ月以上」に対し単純平均で2.54ヶ月となり集計した全組合で基準を上回る要求となった。
B闘争結果
 年末一時金闘争の妥結結果は、コロナ禍の影響が続くものの、経団連の主要企業は前年対比8.29%の増加に転じ、連合集計でも前年同期実績を0.12ヶ月上回る結果となった。
 三重一般同盟の妥結結果は4組合が前年を上回るなど集計のできる組合の単純平均で、 妥結額平均が625,333円(前年対比27,050円増)月数では2.17ヶ月(前年対比0.1ヶ月減)となり、金額で前年を上回ったことは各組合が健闘した結果として評価したい。

3.退職金と労働協約の整備について
 秋季生活改善闘争期間を10〜11月に設定し、2022年末一時金闘争とともに@退職金水準の引き上げ、A労働協約の締結・改訂を柱とする「2022年度下期経済闘争(秋闘)方針」を策定し、闘いを推進した。
 三重一般同盟全体の課題として退職金水準の引き上げに長年取り組んできたが各組合で進展がみられない。当面の到達目標である1,500万円を今年こそ達成するよう強力な取り組みを求めた。
 労働協約の締結・改訂については、労働関係法令改正への対応、改訂見直しの重要性、各種社内規定との整合性などに十分留意し、精力的に労使交渉を進めるよう加盟組合に要請した。

4.三重県最低賃金の改正について
 零細未組織労働者や非正規労働者の賃金に大きな影響力をもつ最低賃金が、三重県最低賃金審議会において審議され、発行された。三重県最低賃金(地域最賃)は昨年に引き続き改定され、産業別最低賃金が3業種で改定された。引き上げ金額は三重県最低賃金が31円(3.44%)、産業別最賃は電線が28円、電気機械と輸送用機械が25円、ガラス、銑鉄鋳物、洋食器、一般機械は地域最賃と同額の31円が引き上げられた。全国加重平均は961円で31円の引き上げとなった。地域別では東京の1,072円に比べ沖縄、高知、岩手などで過去最高となる33円が引き上げられたが地域格差の抜本改正にはほど遠い状況である。

5.2023年度春季生活闘争対策について
(1) 2023春季生活闘争方針の策定
加盟組合の要求づくりのベースを提起する目的で、2023春季生活闘争方針を第8回執行委員会(2023.1.16)において決定し、全組合に示達した。方針の柱を@賃金の底上げと格差是正、A中小企業の賃上げで個人消費拡大、B定期昇給分の確保と定期昇給制度の確立、C働 き方改革とワークライフバランス実現として、コロナ禍の拡大と収束が続くなか経済活動が再開し景気回復が見えてきたが物価上昇により実質賃金が大幅に低下している。物価上昇に見合った賃上げを獲得することが社会の要請となるなか、中小企業労働者の生活を維持し将来への不安を払拭し、豊かで安心して暮らしていける社会を実現するため、賃上げと格差是正の積極的な取り組みを求めるものとした。詳細は、「2023春季生活闘争方針」を参照のこと。
(2) 賃金セミナーの開催
 春季生活闘争に臨む情勢の把握と交渉力の引き上げをはかるため、加盟組合三役と企業の労務担当を対象とした2023賃金セミナー(春季生活闘争研修会)を2月3日に開催した。 
 セミナーでは、社会保険労務士・森島大吾氏「最新!人的資本から見る人事労務の取り組み方」について講義を受けた。その後、三重一般同盟から春季生活闘争方針の取り組みについて、加盟組合における交渉の進め方等の説明をおこなった。
(3) 賃闘オルグの実施
 2023春季生活闘争でも「賃闘オルグ」を実施。今回も書記局が中心となり、加盟組合の執行委員会へ出席し、三重一般同盟の方針の徹底を期すとともに格差是正の取り扱いなどの情報交換をおこなった。



◆ ◆政策・政治活動の推進
 

1.各選挙について

(1)名張市長選挙の結果
 名張市長選挙において、三重一般同盟が推薦した北川裕之候補が当選を果たすことができた。
【名張市長選挙 4/10告示 4/17投開票】

選挙区 定数 推薦候補者 年齢 新旧 得票数 当落/順位
 名張市 1 北川 裕之 63 23,340 当選

(2)第26回参議院議員選挙の結果
 第26回参議院議員選挙三重県選挙区において、三重一般同盟が推薦した芳野正英候補は力及ばず残念な結果となった。
【参議員議員選挙 6/22公示 7/10投開票】
選挙区 定数 推薦候補者 年齢 新旧 得票数 当落/順位
 三重県 1 芳野 正英 47 278,508 次点

(3)統一地方選挙の結果
 第20回統一地方選挙において、前半の三重県議会議員選挙と後半の津市長選挙及び四日市市議会議員選挙に三重一般同盟が推薦した候補者全員が当選を果たすことができた。
【三重県議会議員選挙 3/31告示 4/9投開票】

選挙区 定数 推薦候補者 年齢 新旧 得票数 当落/順位
 桑名市・群 4 三谷 哲央 75 現7  8,450 当選/3位
 四日市市  7 稲垣 昭義 50 現5  11,908 当選/3位
 鈴鹿市 4 藤田 宜三 71 現4  9,510 当選/3位
 津市 7 川口  円 51 現1 10,076 当選/5位
 伊賀市 2 森野 真治 53 現4 11,382 当選/2位

【津市長選挙 4/16告示 4/23投開票】
選挙区 定数 推薦候補者 年齢 新旧 得票数 当落/順位
 津市 1 前葉 泰幸 61 現3 57,505 当選/1位

【市議会議員選挙 4/16告示 4/23投開票】
選挙区 定数 推薦候補者 年齢 新旧 得票数 当落/順位
 四日市市 34 加納 康樹 57 現4  3,375 当選/6位


2.推薦議員団との懇談会開催について
 9月28日、三重県勤労者福祉会館において開催。推薦議員は県議会議員5名(三谷氏、稲垣氏、藤田氏、森野氏、川口氏)、市議会議員2名(加納氏、田矢氏)に出席いただき、三重一般同盟役員、政治・政策委員と政策課題について活発な意見交換をおこなった。



3.政策提言の策定について
 三重一般同盟は中小企業に働く者の地位向上を目指し、本年度も次の政策提言をまとめ国会議員及び県議会議員、市町議会議員を通じ、議会にその実現を働きかけた。



◆ ◆研修・セミナーの開催

 三重一般同盟では、毎年いくつかの研修会やセミナーを開催し、知識・情報の修得と資質の向上をはかっている。2022年度に実施した内容は次のとおり。
1.推薦議員団との懇談会
 9月28日、三重県勤労者福祉会館において推薦議員団との懇談会を開催。推薦議員は県議会議員5名、市議会議員2名にご出席いただき、三重一般同盟役員と政策課題について活発な意見交換をおこなった。出席議員は次のとおり。
 〈県議会議員〉 三谷県議会議員、藤田県議会議員
稲垣県議会議員、森野県議会議員
川口県議会議員
 〈市議会議員〉 加納四日市市議会議員
田矢津市議会議員
 
 
2.2022役員研修会
 11月23日、津市中央公民館において開催。単組三役を中心に5組合から17名が参加した。第一部は、組合員から集められたアンケート「労働時間管理等に関する実態調査」について田中書記長から概要報告を受けた。その後、ダイ・マンパワーマネジメント 代表 大地勉氏から「コンプライアンスについて考えよう」を受講し、今後の対応策を中心に学んだ。
 
3.2023賃金セミナー
 2月3日、高田会館において「2023賃金セミナー」を兼ねた第55回労使懇談会を開催。社会保険労務士・森島大吾氏から「最新!人的資本経営から見る人事労務の取り組み方」について講義を受けた。その後、三重一般同盟から春季闘争方針の取り組みについて、加盟組合における交渉の進め方等の説明をおこなった。

 なお、コロナ禍の影響を鑑み感染予防と安全確保のため中止とした研修会等は次のとおり。
 ・第30期労働学校(22.10.15〜16)



◆ ◆交流会・イベントの開催
1.2023新春旗開き
 2023年1月15日、今回は本部会場を設置しハイブリッド形式で開催。役員5名、AAO・ひまわり役員8名、単組役員12名、来賓8名(ほかメッセージ2名)の計33名が出席した。森田会長から参加のお礼と新年への挨拶で幕が開き、来賓祝辞・メッセージ披露のあと、各単組のゲーム及びAAO・ひまわり進行の大抽選会で盛り上がった。

ハイブリッド開催 三本締め
2.女性委員会「ひまわり」の行事
  (1) ひまわり・AAO合同料理教室開催について
 第32回総会終了後、合同料理教室を開催する予定だったが、コロナ禍の状況を鑑み中止した。

 
3.青年委員会AAOの行事
(1)ひまわり・AAO合同料理教室開催について
 第29回総会終了後、ひまわり・AAO「合同料理教室」を開催する予定だったが、コロナ禍の状況を鑑み中止した。
(2)AAO主催「Outdoor in 鈴鹿」の開催について
 スポーツとアウトドア行事を一体化した『Outdoor in 鈴鹿』を6月11日に開催予定だったが、コロナウイルスの収束が見えず、また変異株発生により感染拡大している状況を鑑み、参加者の皆様の安全・健康を最優先し、中止とした。



4.第94回三重県中央メーデー
 2023年4月29日、連合三重と津地協共催の『三重県中央メーデー』が津市お城西公園において開催された。新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため参加人数が縮小され、三重一般同盟から3名が参加した。
 今年のメーデースローガンは『支え合い・助け合う社会をつくり、くらしをまもる!笑顔あふれる未来をめざし 力を合わせ、ともに進もう!』が掲げられた。




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