2018年度活動報告 |
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1.2018年度春季生活闘争(賃闘)について
2017年は日本経済が緩やかな景気回復を続けるなか賃上げが実施されたものの、物価上昇や年々引き上げられてきた社会保険料など家計の負担が増加したことにより賃上げの実感がない状況で消費支出が減少し個人消費拡大にはほど遠い状況であった。2018春季生活闘争を取り巻く環境は大手企業の業績拡大が進み、労働需給も引き締まり「人への投資」が求められるなど賃上げにとって追い風となるなか、労働者の賃金水準の底上げと格差是正のため大幅な賃上げを積極的に求め、家庭や社会の期待に応える闘いであった。同時に働き方改革に向け長時間労働抑制やワークライフバランス(仕事と生活の調和)実現にも積極的に取り組んでいかなければならないことを再認識した。
私たち労働組合の積極的な行動により、今次春季生活闘争は組合員の期待に応えるとともに社会の一員として堂々と正義の闘いを展開した。 |
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(1) 2018春季生活闘争方針の決定
組合員の賃金水準の底上げと格差是正をはかることを基本とした、三重一般同盟2018春季生活闘争方針を第8回執行委員会(2018.1.14)で決定した。
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@要求基準
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1)賃上げの基準
賃上げの継続と月例賃金の引き上げにこだわり、賃金水準の底上げと拡大を続ける大手企業と中小企業の格差是正を積極的に求めていくため要求基準を率ではなく金額で要求することとした。
賃上げの要求基準を「すべての組合で13,000円以上(組合員平均)」とする。
2)初任給要求
賃金の底上げをはかるため初任給を基準内賃金の2%程度引き上げることを目指した。
3)一時金の要求基準
月例賃金の増加にウェートを置くが、年収確保の観点から例年どおり年間5.0ヶ月以上(金額で1,500,000円以上)を基準として、前年に要求基準以上の一時金を獲得している組合は実績を踏襲して決定する。
4)ワークライフバランスの同時要求
労使が協議する上で労働時間や労働条件は賃金と密接に関係していることから、春季生活闘争のなかで労働時間短縮をはじめとする働き方改革に関する課題について加盟組合の実態に合わせた形で同時要求とする。特に重点課題である長時間労働の抑制と総労働時間の縮減について全加盟組合で積極的に取り組むとした。 |
A闘争体制
緩やかな景気回復が続き、企業業績が拡大し労働需給が引き締まるなか、中小企業は賃上げにおいて慎重な態度を崩していない。連合をはじめ中小企業労働組合は賃上げの継続と大企業と中小企業の格差是正を求める強い姿勢で臨んでいくことを確認しており、対決色の強い春季生活闘争となることを覚悟し、可能な限り統一闘争を展開できるようにするため、闘争スケジュールを設定した。
これには全加盟組合が交渉を有利に進めるため3月中決着を目指し、次の日程で臨むこととした。
要求書提出日 2月23日、回答指定日 3月14日、解決目標日 3月26日(最終3月中決着) |
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(2) 闘争の側面支援
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@賃金セミナーの開催
春季生活闘争に臨む情勢の把握と交渉力の引き上げをはかるため、加盟組合三役と企業の労務担当者を対象とした賃金セミナー(春季生活闘争研修会)を、2月9〜10日に開催した。セミナーでは三重県雇用経済部雇用対策課
働き方改革・勤労福祉班 班長代理 岩崎和人氏から「働き方改革取り組み事例」について講義を受講するとともに、三重一般同盟から「2018年春季生活闘争方針」の説明をおこない、その後参加労使で意見交換した。
A賃闘オルグの実施
2018春季生活闘争で「賃闘オルグ」を実施。三役・役員と書記局が加盟組合の執行委員会に出席し、三重一般同盟の方針の徹底を期すとともに、賃闘に向けての情報交換をおこなった。また会議後は単組執行部との意見交換も実施した。 B賃闘委員会の設定
第45回定期大会終了後、執行委員会で構成する賃闘委員会を設定した。期間中執行委員会のなかで、情勢を分析するとともに加盟組合間の情報交換をおこなった。
C情報の発行
加盟組合の闘争状況と、全国台の闘争の流れを速やかに報告し、加盟組合の交渉に役立たせるため「2018春季生活闘争ニュース」を第1号(3月19日)から5号(7月23日)までの間、適宜発行した。 |
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(3) 闘争の結果
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@要求提出状況
要求は三重一般同盟の設定した統一要求日の2月23日までに要求提出した組合は1組合で、翌24日に1組合が要求提出、残りの組合では3月4組合、4月2組合の要求提出となった。要求内容は、三重一般同盟の基準とした13,000円が大半であった。
A回答状況
3月末までに2組合が妥結、4月初めに1組合、4月下旬から5月にかけて2組合が妥結、最終決着が6月までずれ込んだ組合が2組合もあるなど一部で改善が見られたものの例年と変わらず、交渉・解決のテンポに大幅な改善は見られなかった。
B集計結果
2018年の賃上げ結果は前年実績を上回り、主要企業の妥結額では7,033円、率で2.26%となり、額で463円、率で0.15ポイント前年を上回った。
三重一般同盟の妥結は単純平均で5,089円(2.04%、単純平均)となり、対前年で312円(0.17ポイント)上回る結果となった。賃金水準の底上げ値と格差是正の獲得を積極的に求める闘いを展開した結果、前年実績を上回る賃上げを引き出したことは評価したいが、小幅なもので格差是正には及ばなかった。
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<2018春季生活闘争の集計> |
集 計 |
2018妥結額(率) |
2017妥結額(率) |
主要企業(厚生労働省) |
7,033円 (2.26%) |
6,570円 (2.11%) |
中小企業(都道府県) |
4,804円 (1.89%) |
4,586円 (1.81%) |
三重一般同盟 |
5,089円(2.04%) |
4,777円(1.87%) |
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2.2018年度一時金闘争について |
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(1) 夏期一時金闘争
2018年度夏期一時金闘争は、2018春季生活闘争において多くの加盟組合で賃上げが前年実績以上の結果となったことから年間賃金の水準のさらなる引き上げを求めて、全精力を結集し闘争を展開した。
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@闘争方針の策定
2018春季生活闘争方針を基準に、要求基準、闘争日程等の2018年度夏期一時金闘争方針を次のとおり第2回執行委員会(2018.5.9)で決定した。
要求基準を「基準内賃金の2.5ヶ月以上、金額で750,000円」とする。
闘争日程は、統一要求日5月24日、回答指定日5月31日と定め、早期解決を目指し解決目標日6月8日として短期決戦に備える体制を確立した。
A要求提出状況
賃上げ要求と同時に要求書を3組合が提出した。うち2組合が年間要求、1組合が夏期一時金要求であった。残る組合も6月上旬までに要求提出を完了。多くの組合で三重一般同盟基準を上回る要求となった。
B闘争結果
一時金闘争は賃上げが前年を上回ったものの小幅なものでとどまり、経済情勢の先行き不安から厳しい闘争が予想されるなか、経団連の大手企業夏期一時金妥結状況は好調な企業業績を反映して約8.6%増加した。
三重一般同盟では賃上げと同時に年間で要求した2組合のうち、1組合は満額回答を引き出し妥結したが、1組合は前年実績を0.1ヶ月下回って妥結した。夏期一時金を交渉した組合では、4組合で前年以上の回答を引き出し妥結したものの2組合が前年を下回る結果となり6月中に決着した。6組合の妥結額平均は569,363円(前年対比▲10,110円)、妥結月数では算出できる組合単純平均で2.22ヶ月(前年対比▲0.11ヶ月)となり、賃上げは前年実績を上回ったものの、一時金では前年実績を下回り年間賃金の引き上げに向けた結果を出せなかったことを反省したい。各組合に年末一時金闘争での一層の奮闘を促すとした。 |
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(2) 年末一時金闘争
2018年度年末一時金闘争は緩やかな景気回復が続き、好調な企業業績のなか労働需給の引き締まりにより人材確保が課題とる一方、企業が先行きへの不安を訴えデフレマインドが払拭されない情勢下、われわれは生活の維持・向上のため夏期一時金で遅れをとった分を確保するととに、年間賃金の確保、引き上げと格差是正を求め精力的な取り組みを展開した。
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@闘争方針の策定
2018春季生活闘争方針を基準に、要求基準、闘争日程等の2018年度年末一時金闘争方針を次のとおり第5回執行委員会(2018.9.25)で決定した。
要求基準を「基準内賃金の2.5ヶ月以上、または、750,000円以上」とする。
闘争日程は、統一要求日10月19日、回答指定日10月26日、解決目標日11月8日と定め、早期解決を目指すこととした。
A要求提出状況
要求は11月上旬までに出揃い提出を完了した。
要求内容は年末一時金を単独で闘った組合で、三重一般同盟の要求基準「2.5ヶ月以上」に対し単純平均で2.71ヶ月となり集計した全組合で基準を上回る要求となった。
B闘争結果
年末一時金闘争の妥結結果は、経団連の年末一時金妥結結果で企業業績が好調であることから約6%前年を上回った。
三重一般同盟の妥結は集計のできる組合の単純平均で、妥結額平均が556,863円(前年対比▲30,110円)月数で2.16ヶ月(前年対比▲0.21ヶ月)となり、金額、月数ともに前年を下回り、大企業が獲得した金額水準からすると格差が一層拡大しており不満な結果となった。
次期一時金闘争では年間賃金の引き上げと格差是正に向け一層の奮闘を促したい。 |
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3.退職金と労働協約の整備について |
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秋季生活改善闘争期間に10〜11月を設定し、2018年末一時金闘争ととともに@退職金水準の引き上げ、A労働協約の締結・改訂を柱とする「2018年度下期経済闘争(秋闘)方針」を策定し、闘いを推進した。
三重一般同盟全体の課題として退職金水準の引き上げに長年取り組んできたが結果がでていない。当面の到達目標である1,500万円を今年こそ達成するよう強力な取り組みを指示した。
労働協約の締結・改訂については、労働関係法令改正への対応、改訂見直しの重要性、各種社内規定との整合性などに十分留意し、精力的に労使交渉を進めるよう加盟組合に指示した。 |
4.三重県最低賃金の改正について |
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零細未組織労働者や非正規労働者の賃金に大きな影響力をもつ最低賃金が、三重県最低賃金審議会において審議され、下表のとおり発行された。三重県最低賃金(地域最賃)は昨年に引き続き改定され、産業別最低賃金も7業種すべてで改定された。引き上げ金額は三重県最低賃金が26円(3.07%)、産別最賃は電線、電気機械、輸送用機械が36円、ガラスが35円、鋳鉄鋳物、一般機械洋食器が地域最賃と同額の26円引き上げられた。全国平均では26円の引き上げに留まるとともに地域格差は縮小することなく抜本改正にはほど遠い状況である。 |
5.2019年度春季生活闘争対策について |
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(1) 賃金セミナーの開催
春季生活闘争に臨む情勢の把握と交渉力の引き上げをはかるため、加盟組合三役と企業の労務担当を対象とした賃金セミナー(春季生活闘争研修会)を2019年2月1日に開催した。セミナーでは、ダイ・マンパワーマネジメント
代表 大地勉氏から「事例を踏まえた働き方改革」について講義を受けた。その後、三重一般同盟から春季生活闘争方針の取り組みについて、加盟組合における交渉の進め方等の説明をおこなった。
(2) 2019春季生活闘争方針の策定
加盟組合の要求づくりのベースを提起する目的で、2019春季生活闘争方針を第8回執行委員会(2018.1.13)に決定し、全組合に示達した。方針の柱は、@賃金の底上げと格差是正、A中小企業の賃上げで個人消費拡大、B定期昇給分の確保と定期昇給制度の確立、Cワークライフバランスの実現に向けていくことを基本とし、緩やかな景気回復のなか物価上昇と社会保険料の負担増などにより賃上げの実感がない状況で、実感できる大幅な賃上げと格差是
正の積極的な取り組みを求めるものとなっている。詳細は、別掲の「2019春季生活闘争方針」 を参照のこと。
(3) 賃闘オルグの実施
2019春季生活闘争でも「賃闘オルグ」を実施。三役・役員と書記局が中心となり、加盟組合の執行委員会や三役会に出席し、三重一般同盟の方針の徹底を期すとともに格差是正の取り扱いなどの情報交換をおこなった。また会議後は単組執行部との意見交換も実施した。 |
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